8/18/2015

ポール・アレンとビル・ゲイツが見たこともないALTAIR用のBASICを開発したという逸話は事実だった

ビル・ゲイツとともにマイクロソフトを興したポール・アレンの本、「ぼくとビル・ゲイツとマイクロソフト」(原題は、"IDEA MAN")を読んだ。

この本の中に、ゲイツに関してよく知られているエピソード、「実物を見たこともなかったALTAIR用のBASICを書いて、それが問題なく動作した」ことが詳しく書かれている。結論から言うと、驚くべきことにこのエピソードは、まったくの事実だったようだ。

アウトラインとしては、以下のようになる。

  • アレンが「ポピュラー・エレクトロニクス」誌に掲載されていたALTAIR8800の広告を目にする
  • ゲイツとアレンは、販売元であるMITS社に「自分たちはすでに8080用のBASICを開発している」と嘘の手紙を送る(返信はなかった)
  • ゲイツがMITS社に電話すると、同じような電話(売り込み)が一日十本もかかってきており、同社は「実際に8080上で動作するBASICをもってきた最初の人と契約する」つもりであることを知る(のちに、実は同社のエンジニアも8080用のBASICが本当に作れるか疑問視していたことがわかる)
  • アレンがPDP-10用の開発ツールを作成、それを用いてゲイツ、アレン、モンテの3名が競うように、根を詰めて作業、約8週間で完成する
  • 現地でのデモに向かう飛行機の中、アレンは「BASICだけあっても、ブートストラップローダがないと動かせない」ことに気づき、着陸までの時間に着ないでハンドアセンブルする
  • 生まれて初めて見る8800に紙テープでプログラムを読み込ませ、ブートストラップローダを動作させ、「RUN」スイッチを押すと、テレタイプ端末がメモリサイズの入力を促す、BASICは動作した
  • アレンは、BASICで「PRINT 2+2」を入力、8800は「4」と結果を返した

ゲイツとアレンは、これによりMITS社と契約し、そこからマイクロソフトの道のりが始まることになる。

本書は、マイクロソフトの驚異的な発展について、当事者が書いた記録であり、マイクロソフト社のみならずパーソナルコンピュータの歴史資料として大変貴重なものと思う。今後、他のトピックも紹介していきたい。

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