9/03/2015

スタンフォード大学伝説のスピーチのエピソードについて

依頼を受けた経緯

なぜジョブズがスタンフォードの卒業式でスピーチをすることになったか、その経緯について、 2012年1月7日にNHK BS1でオンエアされた「スティーブ・ジョブズの子どもたち」で紹介されている。

ジョブズに講演してもらおうというアイデアは学生たちから出た。 番組では当時生徒会長の一人だったジェニファー・スティーバーが語る。 ジョブズの名前があがったとき、メンバーから同意の歓声が上がった。 そして学生たちは正装して、卒業式の前日にジョブズを夕食に招いた。 ジョブズは黒いタートルネックで、「さっさと片付けたい」と、また「なぜ引き受けたのかわからない。何を話すかわからない」と言ったという。

想定外

「伝説のスピーチ」が想定外だった、というと驚く人は多いと思う。 番組の冒頭登場した当時の学生は、「サクセスストーリーをしてくれるのかと思った」と語る。しかし、 実際の内容は違った。

ジェニファーは語る。「始まった瞬間から信じられなかった。学費はお金の無駄だみたいに言うなんて」、と。 彼女は「怒りすら覚えた」し、「大学を中退したなんて唐突すぎる」と感じた。

準備

アイザックの本にジョブズがどのように講演を準備したか書いてあるが、 その内容は意外なものだ。

ジョブズは、どんな話をすれば良いかわからず、脚本家アーロン・ソーキンに相談しようと考え、 2月にアイデアを送る。しかし、アーロンは6月になっても何も言ってこない。 ジョブズはプレゼンテーションの内容は自分で考えるが、 果たして卒業式で何を言えば良いか思いつかず悩む。 最終的には、妻に相談して、書き下ろす。

後日談

「伝説のスピーチ」を終えたジョブズの様子について、前述の「スティーブ・ジョブズの子どもたち」で紹介されている。

ジョブズは、講演を依頼した学生たちにメールを書いている。

Thank you very much. It was really hard for me to prepare
for this, but I loved it (especially when it was over...).

All the best,
Steve

2010年6月、「もし、もう一度講演を行うとしたら、何か付け足したいことはあるか?」と聞かれたジョブズは、 下を向いて少し考える。そして、顔をあげて言う。 「たぶん、もう少し大きな声で話をすると思う。人生は儚いから。」

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