9/29/2015

ジョブズのこだわり (3)

WozがApple IIのROMを作っていたとき、ジョブズはプラスチックケースや電源の手配をしていた。 ジョブズは、一貫してPCにノイズを発生させる電源ファンをつけるのを嫌がったが、ウォズは電源のことをあまり気にしていないため、 ジョブズはアタリ社に生き、「ファンを使わなくてすむような電源装置を設計してくれる人間を推薦してくれ」と頼む。 そうして紹介されたのが、フレデリック・ロドニー・ホールトだ。

ホールトは、「熱をもたずに、信頼度の高い軽量の電源装置をつくるには、他のマイクロコンピュータ・ メーカがどこもまだ使っていない方法にたよる以外ない」と考え、以前にオシロスコープ用に設計したことのある スイッチング電源装置を採用した。これが、Apple IIに使われ、のちのPCの標準となる。

ホールトの電源装置がうまくいき、コンピュータの大きさがはっきりしてきたので、ジョブズは アタリ社の元同僚で、Apple Iのプリント基板の版下を作ってもらったハワード・キャンティにApple II用の基板を依頼する。 ジョブズのオーダーは、Apple Iのときより強化されていて、「今回はチップとチップとをつなぐ線をきっちりした直線にしてほしい」と求める。 それに対してキャンティは、「私はすっかり腹を立てて、完全さを求めすぎると非生産的になることをわからせよう」としたが、 あまりに頭にきたので「今後二度とあんたの仕事はしない」と告げる。 それでも結局、キャンティは、ジョブズが満足する基板のパターンを作成し、それがApple IIに採用された。

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